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キワニスドール
綿を詰めた白無地の人形“キワニス・ドール”は、小児科の医師がドールの部位を指差して 患者の子ども達から病状を聞いたり、治療の説明をしたりして、子ども達から恐怖心を 取り除きつつ、診察や治療をスムースに進めるのに役立たせます。
このドールは、1993年ごろ南オーストラリアで使われ始めました。そして国際キワニスのネットワークを通じ全世界に広がっています。 今最も普及しているのはノルウェーやスウェーデンといった北欧の国々のようです
このような動きを知った日本地区のキワニスも、2001年10月、会員自身が汗をかくボランティア活動の一環として、このドールを 制作し、小児科の病院に使っていただこうということになりました。 そして2001年ボランティア国際年記念行事に参加して、この年の12月1日に代々木国立オリンピック青少年総合センターで 開かれたフォーラムに、キワニス・ドールを出展したことをきかっけに、本格的な取り組みが始まりました。
ドールを作るのはまず会員です。男性会員も60歳台以下の人々は、小学校の家庭科の授業で裁縫を習った 経験がありますから、覚束ない手っきながら人形を縫っています。 もちろん自宅に持ち帰って、家族も一緒に作っています。 高校や大学等へ出かけていって、若い学生さん達のボランティアグループと一緒にドール作りをすることもあります。 企業からの依頼で「キワニスドールを作る会」を行うこともあります。
●形状
白い(またはパステルカラー)木綿生地にポリエステル綿を詰めたキワニスドール。 身長約40cm、体重約50g、とても素朴な形で、目も鼻も口もありません。 ただ一つ身に付けているのは、国際奉仕団体キワニスのマークの小さなラベルだけです。 しかし、このちょっと風変わりな、ノッペラボウの小さな人形が、普通の玩具の人形とは違った方法で、病気の子ども達に大きな力を与えています。
●生い立ち
1993年以来、南オーストラリア全域で成功を収めているドール・プロジェクトが、1994年ノルウェー地区の ヘルシンキ総会で紹介され、2001年11月に日本地区に導入されました。
●使い方
お医者さんは人形に内蔵の絵を描いて、治療の説明に使っています。人形に注射をしたり、手術の説明にも使われます。 看護大学では実習に使われたり、養護学校では児童に体の説明に使われたりと様々な使われ方をしています。 小さな患者さんは大好きな人の顔を描いていつも側に置き、退院の時は持ち帰って大切にしています
●納入先
現在までに医療機関その他に1万1千個以上のドールを贈り、小さな患者さん達を癒し、医療関係者と 患者さんとのコミュニケーションをスムーズにしております。
●反響
聖路加病院の小児科、大野先生より 「夜など、お母さんのいない子ども達が抱きしめて寝るんですよ」 と お電話をいただきました。北里病院ではこの頃のおもちゃは鉄やプラスチックが多く、抱いても癒されません。 このお人形は抱くのにとてもいですねと、お褒めをいただきました。 順天堂大学山城教授からは 「人形は真っ白でなにもないからとても良い、子ども達がそれぞれ工夫をするし、それに個性も出ます」 と喜んでおられました。
児童虐待防止
国際キワニスは1990年に、その活動の重点を“Young Children Priority One”(YCPO 子ども最優先)と定めました。
2004年に日本地区もこれを受けて何をなすべきかを定め、推進する組織として子ども最優先(YCPO)委員会を設置しました。
子ども最優先(YCPO)委員会は、日本地区の子ども最優先活動として「児童虐待防止」に取り組むこと、そして具体的な取り組み方針は、
1.子どもへの虐待に対する認識を深める。
2.その上で各クラブが自主的に具体的行動内容を定め実施する。
3・近隣クラブと連携のもとに行なうことを通じ、日本地区全体の運動につなげること。
です。
これらを受けて全国のクラブで、それまでの活動との関連、行政官庁の動き、他クラブの経験などを考慮して様々な子ども達のための奉仕活動を行っています。「子ども最優先」の考えが国民すべてに行きわたるのが目標です。
2015年度に虐待を受けたとして、全国の警察が児童相談所に通告した18歳未満の子どもの数が3万7020人で、前年より28%増え統計を取り始めた2004年から11年連続で増加し、過去最多でした。
キワニスクラブは子どもへの虐待に対する関心を高め、虐待そのものをなくすことを目指しておりますが、通報や相談を増やすことも大事であり、そのための啓蒙活動を推進しております。
主なものではありますが、全国各地のクラブの児童虐待防止活動に関連するものを紹介します。
東京 2015/06/30 学士会館精養軒とともに「子ども食堂」を開催、MXテレビ、毎日新聞の取材を受けた。
東京 2014/10/26 オレンジリボンたすきリレーに協賛、会員、家族9名が応援、チラシ配りをしました。
名古屋 2015/07/11 第18回「なごや子育てフォーラム」に協賛活動。
大阪 「KIWANIS CAR」の贈呈。車両を増やすことにより児童虐待の未然防止のサポートをしております。
横浜 2015/07/22 「オレンジリボン・モニュメント」デザインコンテスト。
高松 高松市子育て支援課とタイアップして、オレンジリボンキャンペーンに参加。
福岡 「子どもの村福岡」の団体支援会員として協力。(親の病気や育児放棄、虐待などで家族と暮らせない子ども達に新しい家族をつくり地域とともに育てる日本初の施設です。)
埼玉 2014/12/24 児童養護施設雀幸園クリスマス会(熊谷市)。
西宮 2014/06/20 支援金贈呈式。6団体(水上隣保館、ヨハネ会、あぜくら福祉会、三光塾、チャイケモ、クリニクラウン)に各10万円ずつ贈呈。
金沢 児童虐待防止啓発の街頭キャンペーン、金沢駅、武蔵が辻&兼六園までのウォーキングによる児童虐待防止啓発チラシ及び啓発グッズの配付。
鹿児島 オレンジリボン街頭キャンペーン。鹿児島の繁華街天文館にて児童虐待がなくなることを願って胸にオレンジリボンをつけてリボンツリーの作成をお願いし、広報活動に努めた。
芦屋 2014/12/26 児童養護施設「三光塾」のクリスマス会に参加。
大分 児童虐待防止啓蒙活動、大分の子ども達の笑顔をささえて参ります。
千代田 2015/01/20 養護施設訪問 救世軍機恵子寮。養護施設の子ども達の支援を続けています。3人の学生に、生活支援金、月・一人当たり3万円を送っております。
宮崎 「みやざき子どもほほえみ基金」。1年がかりで整備議論を行い、11月には基金設立の発足式を迎えました
地域プロジェクト
全国のキワニスクラブの独自の地域プロジェクトは、下記冊子をご覧ください。
寄付一覧
日本キワニス文化賞
日本キワニス文化賞は、日本の伝統文化の伝承にあたり、特に功績のあった人物又は団体で、比較的世間に知られず、苦労を重ねている 人々を広く探し求め、その中から毎年1件ずつ選んで表彰し、その労をねぎらうとともに、その存在を広く紹介し、日本の優れた伝統文化の保持発展に貢献することを目的としております。 また、その決定に当たっては、キワニスの目的に則り、日本の伝統文化の保持発展に貢献している子ども達のグループを優先するものとします。
これは東京キワニスクラブによって昭和40年に始められ、昭和52年日本地区設立と共に日本地区の活動となりました。 受賞者の選定は毎年地区大会の主催クラブが委員会を設け、外部の方の意見も参考に決定しています。